核爆発の可能性に関する報道の不可思議

原発に関する大手の新聞やテレビの報道にはやはり問題がある。
地震後、核分裂反応(核爆発(核暴走?))が起きた可能性が専門家より指摘されている。


一つは3月15日の3号機での爆発が、単なる水素爆発ではなく核爆発を伴っていたこと。
米国フェアウィンズ社のアーニー・ガンダーソン博士(スリーマイル原発事故の調査団のメンバー)が
1号機と3号機の爆発の規模の違いや、3号機では、はっきりと赤い閃光が観察される点などを
根拠に燃料プールにあった核物質が核分裂反応(核爆発(核暴走?))を起こしていた可能性を指摘している。
http://www.youtube.com/watch?v=P4KXX24Dv1U
この映像を僕が目にしたのは一週間以上前であったと思うが、
その時は一つの可能性指摘しているだけで、それが真実である可能性は低いと考えていた。


しかし、今日、京都大学小出裕章先生も、5月4日のラジオで
3月15日の爆発が核爆発(核暴走)であった可能性を指摘していたことを知った。
根拠は群馬県高崎市にある、通常は諸外国の核実験の監視を行っている
高崎放射性核種監視観測所において、地震から4日後の3月15日の時点で
半減期の短いヨウ素が大量に観測されていたことだ。


3月11日の時点で制御棒により核分裂反応は停止しており、
それ以降、原発ではヨウ素は生成されていないはずである。
それにもかかわらず、3月15日になって大量のヨウ素が検出されたことは
新たに核分裂反応が起こったことを考えなければ説明がつかない。
http://www.youtube.com/watch?v=QfMsauUspfI


ガンダーソン博士と小出裕章先生という全く異なる立場の専門家が
具体的な証拠をもとに核爆発が起こった可能性を指摘している。
なのに、これに関する報道がなされているようには思われない。
何故?


東電は具体的なデータを最も持っているから、その内部の専門家は
恐らくその可能性に気が付いているであろう。
しかし彼らは自らに不利な情報を隠蔽したいからそれを自ら言及するはずはない。
問題なのは新聞やテレビがそのような情報に触れない点だ。
何故?


東電等の電力業界は日本のマスメディアの有力な広告スポンサーである。
そのことで筆が鈍っているのか?
せめてHNKだけはそのような可能性を報道してもよさそうなものだ。
何の為に受信料を広く集めているのか? 


報道に携わる人々が意図的ではなくとも、
ネガティブな情報をできるだけ国民に伝えないようにしているのであれば、
それは都合のよい情報しか伝えられないあの戦争の時と同じ状況だ。


半世紀前の日本。そこには、
厳しい現実から目をそらし、過度に楽観的な見通しに立って戦争を指導した人々がいた。
そのことによって発生した理不尽な状況に立ち向かわされた兵士達がいた。
そして最終的に金に換えられぬ高い代償を支払うことになった国民いた。


これらの不幸な日本の歴史を過去のことだと一笑に付すことができない。
2011年の現在、僕は今、全く同じ構図をこの日本に見ている。


報道に携わる人たちよ。
真実を追求し明らかにすることにもっと真摯であって欲しい。