コートの上から書く

会社に入って初めて自分が口にした言葉はたくさんある。
「原価」「工数」「仕様書」「検収」などはその一部。
それらのなかでこのブログに直接に関係している言葉がある。
それは情報の取り扱いに関する一連の言葉。
「社外秘」「顧客秘密情報」「個人情報」といった
ちょっといかめしい言葉達だ。


実際、会社では情報を管理するという意識は高いように感じている。
例えば資料を課長から受け取る際にはかならず、
「わかっているだろうけど、この資料のとり扱いには気をつけろよ」とか、
受け取った資料に赤字で目立つように「顧客秘密情報」とかが書いてある。
新人研修の時も、「基本的には業務のことについて外部で話してはいかん」
と言われた。これはきっと他の会社も同じだろうと思う。


だから現在やっている仕事がいくら面白くても、
ここで下手に話すわけにはいかないのだ。
逆に現在大学で研究に携わっている友達は自分の仕事を
彼のブログで楽しそうに語っている。はっきり言ってうらやましい。


僕は大学時代は生物と数学とコンピュータについて多少学んだが
会社ではこれまで計算化学にまつわるような仕事をしていたため、
多少門外漢というところがあった。


ところが入社4年目の今年に入ってやっと生物系の仕事がめぐってきた。
それもかなり僕の学んだことを活かせ、面白いと感じる分野の仕事だ。
一日のうちのほとんどの時間を仕事に費やしているのだから、
本当はその興味のある仕事の内容に関して話たいことが沢山あるのだ。
毎日ここで僕の一番興味のある仕事の内容を語りたいのだ。


しかし、「顧客秘密情報」という言葉がそれをさせてくれない。
あーーあ。書きたいことを書けないもどかしさ。
如何ともしがたいなー。
いつもここには2番目に書きたいことを書いている。
背中のかゆい部分を、分厚いコートの上から一生懸命、掻(書)いている気分。