そんなに引っ張る話じゃないので、

偶然の一致を感じた「二つの知らせ」についてちょっと書いてみます
そんな大した話ではないです。この文書を読み終わって、
ぜんぜん大したことないやん!って憤慨しても知りませんよ。
大したことではないとちゃんと伝えましたから。あしからず。


昨年の12月、5年ほど会っていない、ずっとアメリカにいる友人Aに贈り物をした。
別れて最初の1,2年は手紙やメールで数ヶ月に一回くらいは連絡をとっいたが、
昨年になるとメールを送っても返事が来なくなってしまった。
他の友達にきくと、彼も友人Aとは連絡がとれないとのことだった。


少し心配になったため、クリスマスが過ぎたころに、
懐かしいであろう日本の食材をダンボール一箱分送りつけたわけだ。
もちろんそのダンボールには、これなら返事が来るだろうという期待を込めていた。
ところが待てど暮らせど返事はなく、数ヶ月経つうちに荷物を送ったことすら忘れていた。


そして今年の春、仕事が終わって家に帰ると、郵便局から荷物を
受け取りに来いとの連絡が来ていた。
その荷物は年末に贈ったダンボールが届け先不明のために
アメリカから送り返されてきたものだったのだ。その夜はさすがに
「友人Aよ、どうしちゃったのだ?」と心配になった。


ところが、その翌日、会社の食堂で昼食を食べていると電話がかかってきた。
発信元を確認せずに電話に出たところ、受話器からは怪しい外人の声が聞こえてきた。
よく覚えていないが、「Hello, Mr.夏草」という言葉から始まって、
なにやら十秒くらい話してきた。僕はてっきり間違い電話だと思って、
「I am 夏草!!」と返したところで、その外人が急に笑い出した。
そしてその声には聞き覚えがあった。そう、友人Aからの電話であった。
その日は福岡に来たから会おうという内容であった。


会社が終わると、アメリカに送った荷物を郵便局で受け取り、
それを5年ぶりに会う彼に直接渡した。五年間会えなかった友達が福岡に来た日と、
消息不明でアメリカから送り返された、本当はアメリカで彼に届くはずだった荷物を
福岡で受け取る日が重なってしまったのだ。


僕はそのとき、「こりゃ、ユングの言った、コインシデンスやな」と思った。
それは単にそういう偶然が重なった以上に、友人Aが僕に
「コインシデスンス」なる概念を教えてくれた本に引き合わせくれ、
さらに、友人Aは「コインシデンス」と言いたい時にその言葉を思い出せず、
常に僕が「言いたいのはコインシデンスやろ!」と言って友達だったからだ。
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