「しゃべれどもしゃべれども」がお勧め

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)


しゃべれどもしゃべれども」という本はとてもお勧めです。
半年前に読んだ本だけれど、いまだに印象に残っています。


この本の著者である佐藤多佳子に出会ったのは5年ほど前。
「イグアナ君のおじゃまな毎日」という子供向けの本で知った。
それは子供向けの本にも関わらず、「これはすごい本だ!」
と思わずうならされるようなレベルの高い本だったことを覚えている。


その作者は大人向けの小説もたくさん書いていたようだが、
今までそれを知らずに過ごしてきた。
しかし、彼女の作品がここに来て、賞をとったり映画化されたり
していることもあってか、本屋の平積みしてあるコーナで再び僕の前に表れた。


そのとき、僕には選択肢は二つあった。
映画化された小説と、本屋大賞を受賞した作品。
僕は童話っぽい表紙の絵にひかれて映画化された「しゃべれどもしゃべれども」を選択した。
これがどうやら当たりだったようだ。


本好きの友達に「しゃべれどもしゃべれども」を早速紹介したところ、
佐藤多佳子が気に入ったらしく、一週間ほどで、入手可能な彼女のすべての作品を読んだとのこと。
彼が言うには、「しゃべれどもしゃべれども」が一番良かったらしい。
何気なく手にした本が最初からいい作品でラッキーだった。


かけだしの落語家がひょんなことから、
話し方を人に教えることになってしまうという話です。
ストーリ自体はそれどほど大きな展開はないけど、この小説に登場するすべての人に
とてもリアリティが感じられ、引き込まれます。
冒頭にも書いたけど、彼女は日本語がとてもうまいと思う。


皆様もこの本を手にし、おだやかで、さわやかな感動をお楽しみください。
僕は映画の方は見ていませんが、お勧めしません。
この小説の感動を映画で表現するのは難しいと思います。