宗教の人Ⅱ

宗教の人との接点はなにも休日だけではない。


もう一年ほど前になるが、信号待ちをしていると、
宗教勧誘目的の外人2人がやってきて、
「ちょっとよろしいですか?」と言った。
宗教の人だとわかっていたけど、「何ですか?」と返事をした。


するとその2人はおもむろに「神様はいると思いますか?」
という質問をしてきた。返答によっては長くなる。
返答に困っていると、そして彼らはさらにたたみかけてきた。
「あなたの人生にとって幸せとは何ですか?」と。


僕はその時ちょうお腹をすかせ、牛丼を目指して歩いていたので、
それの質問にはすぐに答えることができた。


「牛丼を食べる時が一番幸せ!」と笑顔で答えた。
すると2人は外人特有のゼスチャーである、肩をすくめる動作をし、
ちょっと蔑むような笑いを浮かべ、雑踏の中へ消えていった。


きっと「牛丼」で頭が一杯の低次元な人間に、
「神」という高尚な概念を説明するのは不可能だと判断したのだろう。
その時食べた牛丼はなぜがいつもよりもうまかった。