「国家の品格」の主張は武士道

昨日、藤原正彦の最近のベストセラー「国家の品格」を読みました。
一言で言えば世界の中で「日本人」が今後どのような方向を目指すべきか
ということを書いてある本だと思う。彼の主張ではそれは武士道をもとにする
「道徳や規律」だということです。逆に西洋や今の日本で大切にされている
「民主主義」や「自由」や「論理」といった価値観はそれほど重要なものでは
ないとのこと。


僕は彼の書いた本のほとんどを読んだことがあるので、
今回の本の主張の内容自体にさほど目新しさを感じなかった。
同様の主張が今までの彼の本の中で繰り返されているから。
特に彼がイギリスに留学した時の本には、ちょっとうんざりするほど
「武士道」について述べられていたように思う。


ただ、今回の本は今までいろいろな本の中で散らばって述べられていたものを、
一つの本にまとめたものだと言えるので、豊富な具体例を用いて
彼の主張がわかりやすく述べられていると思う。


僕の中で「民主主義」や「自由」や「論理」といったものが
至上のものだと無意識に思っていた部分があるが、
それが「確かにそれほどのものではないかも」
というくらいの変化を起こされてしまったのは大きい。


これまでそれらについてたいした考えは持っていなかったから、
それらに対するどのような主張を読んだとしても僕の考えがぶれるのは
ある意味当然のことかもしれないが・・・・。


僕は面白い本が好きなので彼の著書ではやはり
「若き数学者のアメリカ」の方が「国家の品格」よりもお勧めです。
だた、現在の社会状況を考えると非常にタイムリーな本だとは思います。