混合診療の解禁について

従来混合診療が禁止されていた時には、保険に適用されない治療を+αで行った場合、
本来保険の適用を認められている治療までもが、自由診療の扱いとなり全額患者負担に
なってしまう問題があった。


混合診療が解禁されれば、この問題が解決する。これによって、+αの治療
(個人の体質に合わせたテーラーメイド医療等、より質の高い医療)を受けやすく
なる側面があり、それに付随するビジネスにとっても好影響を及ぼすと思われる。


しかしその一方でこの混合診療の解禁には大きな問題がある。
それは、命に関わるような最新の治療が新しく開発された場合に、
その新しい治療を受けられるのはお金持ちにだけになってしまう可能性である。
医療費の削減が望まれている現在の状況下では、新しい医療に対して
保険適用範囲が拡大することはあまり考えらない。逆に自由診療の範囲が拡大する
可能性が高い。このため医療のメニュー全体でみると徐々に自由診療の割合が増えて
いくもと思われる。


その場合、例えば画期的な抗がん剤が開発されたとしても、十分なお金がない場合、
治療を受けれなくなる。ちなみに、最近アメリカで発売された抗がん剤は一月
あたり190万円そうだ。これを自費で払える人は少ないと思う。


僕が注目している個人の体質に合せたオーダメイド医療が広く行われるように
なるのかは、厚生労働省が今後どのような医療を保険適用とし、逆に自由診療
するかに依存すると思うので、その動向に注目していかなければならないと思う。


混合医療の解禁により、お金持ちだけが適切な医療を受けられる
という状況にだけはならないで欲しいが、そのような状況に向かう可能性が
高いと思っている。明日はその根拠についてまとめてみる。